本を読む人、書く人、そして作る人。この三者がいなければ世界中の本は成り立ちません。この三者のバランスがなければ、読書の喜びも時代を超えて続くことはできなくなってしまうのです。
よくよく考えてみれば、本を巡る本をめぐる文化の存続は、長い文化のなかで生み出された仕組みや伝統や技術の相まった、けっこうデリケートな世界なのです。
その一角である、「本を作る人」にむけた情報をつねに発信してきた特定非営利活動法人 HON.jp が、設立時の「日本独立作家同盟」から通算して10周年を記念して HON-CF 「HON カンファレンス」を9月1日と2日の両日に開催します。1日目はリアルイベント、2日目はオンラインでのイベントになります。
えっ、今週末じゃないか、遠くにいるから参加できないというかた、ちゃんとオンライン視聴とアーカイブもありますので参加可能ですよ!
そしてその一角で、私がファシリテーターとして豪華なメンバーでいま一番気になる話題の一つについて議論をおこなう予定です。
ツイッターが終わった、さあどうしよう?
イーロン・マスクによる買収後、さまざまな形で過去と決別を進めてきたツイッターが、ついにサービス名すら X に変えてしまい、ひとまず名前としてその歴史に終止符を打ってしまいました。
サービスとしてのツイッターはまだ存続していても、日に日にそれは過去のそれとは似ても似つかない、あてにならないものに変わりつつあります。
多くの人がその影響を受けていますが、とりわけ困難な状況にあるのがツイッターを使って自分の活動を世界に向けて周知してきたクリエイターたちです。作家、漫画家、同人誌作家、その他多くの才能が、ツイッターによって潜在的なファンに発見され、拡散されることを活動の前提としてきましたが、その仕組がひっくり返ってしまったのです。
そこで、けっこうシビアな話が出てきます。
- ツイッターでバズって有名になる。あるいはニッチな情報がそれを必要とする人に発見される「ツイッターの奇跡」はもう過去のものなのでしょうか?
- アルゴリズムによってタイムラインが恣意的に操作され、広告費を払わなければ露出ができない世界でクリエイターはどのように発見してもらうのか?
- 文字による自己表現が短時間動画といったメディアにとってかわるなかで、活字にしかできないことは残るのでしょうか? そもそもそれを受容できる聴衆はこれからもいるのでしょうか?
こういった疑問が湧いてくるわけです。一般論のように見えますが、この一つ一つに、答えのかけらがあるだけで生活が左右される人が大勢いるのです。
これについて、私がもっとも信頼している布陣でガチ目の討論をしてみたいと思ったのが HON-CF2023技術セッション「さようなら、Twitter。さて、どうします?」のセッションです。
個人的にもこの問題は大きな意味を持っています。ブログを書くことで発見してもらえる奇跡のような時代はもう過ぎ去ったかもしれませんが、それでもブログやSNSで個人がエンパワーされた時代のすべてが押し流されたと考えたくはありません。それとも、いまはもう「全てのひとが全ての人に向けてTikTokを発信する、それゆえ真の意味では誰に届いているわけでもない」時代になってしまったのでしょうか?
こうした話題について、note プロデューサーの徳力基彦さん、ブログ「ネタフル」のコグレマサトさん、株式会社往来の東智美さんにおはなしをうかがいたいと思います。
徳力さんはブログブームを牽引してきたアジャイルメディア・ネットワークを率いて、現在はnoteのプロデューサーとして活躍されている、SNSを知り尽くした人物です。そしてコグレさんはもちろん元祖アルファブロガーとして長年ブログを運営してきて、ウェブ・SNSの背後の力学を知り尽くした人です。
東さんは最近わたしがよくご一緒する仲間なのですが、メーカーの立場でSNSを用いたPRに精通しているだけでなく、本人もSNS活用の専門家ですし、最近ではVRメタバースというメディアの最前線にいる若いコミュニティの知見もたいへんおもちの人物です。特に、若い人がどのようにツイッターで足掻いでいるのか、その実態についてお聞きしようと思っています。
再開日時と申込み方法
こうしたセッションはわりとあたりさわりのない話が多めになりがちですが、せっかくクリエイターにとってのSNSという、ちょっと濃い舞台が設定できましたので、みんなが気になる話題について突っ込み気味に話題を振っていきたいと思います。ぜひ、オンラインで視聴いただければ幸いです!
- 日時: 2023年9月2日(土)13:00~14:25
- 登録方法: Zoom Eventsの登録ページより購入ください(全セッション共通チケットです)
一般参加とリモート参加がありますのでがありますので、お好みの方をご登録ください。
金曜日には渋谷でリアルイベントもありますので、ぜひこちらでお会いできるのを楽しみにしています。
Source: ライフハック