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「ライフハック大全 プリンシプルズ」のレビューいろいろ

先月大改訂で出版しました「ライフハック大全 プリンシプルズ」ですが、おかげさまもレビューも概ね好評で著者としては胸をなでおろしています。

一度出した本をこのように改稿し、リミックスして数年経った世界にもう一度解き放つのは、想像していた以上に重い作業でした。すべての本は出した瞬間に最も relevant なものを作っているつもりですから、そこからたった一年過ぎただけでも前提や状況は大いに変わってしまうからです。

ですから、今回「プリンシプルズ」という、原理・原則に話題を持ち込むことができたおかげで、本としてはしゃきっとできたように感じています。

本についていくつかレビューも入っていますので、ご紹介したいと思います。

ビジネスブックマラソンさま

土井英司さんのビジネスブックマラソンで先日「ライフハック大全 プリンシプルズ」を紹介していただき、一気にAmazonの順位が桁で上がるということがありました。

最初は、「どうせ改訂版だろう」ぐらいに思って手に取った一冊でしたが、全面改稿で新情報がたくさん入っており、じつにワクワクする内容でした。

ちゃんと「変わった」と思っていただけたことが 嬉しいですね。それだけ気にしていましたので。

ツイてるブッククラブさま

「ツイてるブッククラブ」はそれぞれ本について一家言をもっている橋本大也さん、いしたにまさきさん、聖幸さん、たつをさんが月イチで本を選んで紹介するポッドキャストです。メンツからして面白くないわけがないわけですが、1月の本として「ライフハック大全 プリンシプルズ」を選んでいただいています。

しかしその、よく知っている皆さんに感想をいただくこそばゆさときたら…! 著者本人としてはかなり MP を蓄積して心を落ち着けない限り30秒と心がもちません(笑)

そしてこの回にあわせて、いしたにさんから次のエントリーもいただいています。

「ライフハック大全 プリンシプルズ」が体現しているデジタル時代の変化 #ツイてるブッククラブ | シン・みたいもん

で、堀さんの「ライフハック大全 プリンシプルズ」ですが、私としてはその中身以上に時代の変化を大きく感じさせる内容でした。

その変化とは、ポッドキャストでも話していますが、この本の中で、堀さんが「要するにブログを書けばいいんだよ」とは言わないというところです(もちろん、ここでのブログはYouTubeとかポッドキャストにも入れ替え可能です)。

これはそこまで意識していたわけではないのですが、やはりこの5年くらいずっと繰り返し話題にあげている「ブログの死とどこで書くか問題」が、私を変えているともいえます。

「ブログの死」とは、ブログはもう意味がないとか、もう目立てないからYouTubeをやろうといった話ではなくて、メディアが変化するなかで私たちの表現が変わらざるを得ないという話です。

メディアというと、普通は受け取るもの、つまりはテレビ、ラジオ、音声メディアといったものが話題になりますが、ここでは「われわれがどこになにを語るのか」という話題としての媒体です。つまりは紙、ウェブページ、SNS…でも紙は昔のままの紙ではありませんし、ブログも昔のままのブログではない…という話題なのですが、ここでは余白が小さすぎますのでこの話題はまた別の機会にとっておきたいと思います。

Honkure さま

かなり早い段階でブログ R-Style の倉下さんのもう一つのサイト、Honkure でも紹介をいただいていました。

二つの本を読み比べるとすぐにわかるが、これはもうまったく別の本である。少なくとも!”まったく別の本”を読んでいる読書体験がそこにはある。「ゴジラ」と「シン・ゴジラ」くらいには違いがあるだろう。

シン・ゴジラがゴジラらしいものを新しい時代と、別の個性の中に脱構築した作品だったことを思えば、この言葉はとても嬉しいですし、著者としての意図を受け取っていただけていてありがたいものです。

多様性の尊重が重視される社会にあって、私たちのライフ(人生/日々)は均一ではなくなりつつある。当然それに対処する術もまた多様性を必要とするだろう。あまりに具体的な方法は、応用できる範囲が限られてしまう。だからこそ、原則(プリンシプルズ)を押さえるわけだ。

その意味で、本書は正しく2020年代の「ライフハック大全」だと言えるだろう。しかし、これが終点なのではない。ここからそれぞれの人が「自分のライフ/ハック」を駆動させていくという意味においてスタート地点なのである。

この言葉のその通りで、私にとっての「ライフハック大全」は終わったのですが、それはここから次の時代の人がなにか別の形で書くためのスタート地点だと思っています。

しかしもう「ライフハック」という言葉を使う必要はないでしょうし。別のなにかがそろそろ生まれてもいい頃でしょう。

伝道の書には「天の下に新しきものなし」と書かれています。それは新しいものが不可能だという意味ではなく、新しいものは古いものを何度でも蘇らせることを通して、次の時代に、別の世界に、変わらない本質を伝えるものだということです。「プリンシプルズ」はそのために書かれた、ライフハックの種まきの本というわけです。

芽吹くものが、別の時代、別の場所で、異なる名前をもっていることを、私は期待しているのです。

Source: ライフハック

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